令和6年12月19日(木)に「北里柴三郎記念イヤー2024」第5回顕彰講演会を熊本大学本荘北地区山崎記念館1階研修ホールにて開催しました。
第5回顕彰講演会は、熊本大学医学部肥後医育ミュージアム研究員の松﨑範子氏にお願いしました。
『北里柴三郎と熊本―熊本の医学教育と医療に貢献した北里柴三郎ー』という題で、小国での幼少期、古城医学校時代、東京大学時代の我が国の教育事情や近代医学教育制度の確立過程を背景に、北里柴三郎がどのように学んできたのかについてお話いただきました。また、ドイツ留学を経て東京での活動が多かったことから、熊本との関わりは薄いと思われがちでしたが、実際には古城医学校時代の教師や生徒との交流が続いていたことが紹介されました。さらに、現在の熊本医学会に通じる輔元会が、北里柴三郎によって東京で設立されたことや、初期の伝染病研究所に熊本ゆかりの人々が採用されていたこと、小国町に北里文庫を寄贈した際の逸話なども交えて、新鮮な切り口で非常に興味深い講演でした。
ご講演終了後、古城医学校の同窓であり、東京大学医学部教授となった緒方正規との関係について質問が出ました。これに対して、フロアにおられた二塚信熊本大学名誉教授より、学問上の対立はあったものの、お互いを尊敬し、信頼していたことが紹介されました。
最後に、北里柴三郎顕彰2024年委員会委員長である片渕秀隆熊本大学名誉教授より、本事業で行った企画が順を追って紹介され、関わった皆様への謝辞が述べられました。
ご講演は、アーカイブ配信することとしています。
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遠藤文夫会長挨拶
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司会・座長 菰原義弘教授挨拶
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松崎範子氏
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講演の様子
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片渕秀隆委員長